米国政府委員会が認めた日本の宗教迫害

摂理の脱会支援という名の監禁事件

世界の宗教の自由における悲惨な地図

 マックス=フィッシャー  2013. 05.03. ワシントンポスト紙 

アメリカによる宗教的自由の侵害国家の監視リスト
赤:特に組織的に継続中で実にはなはだしい侵害
オレンジ:赤色と比べて境界線にある国家
黄色:宗教の自由に関する問題で監視されている国家

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 アメリカ合衆国国際宗教自由委員会(the US Commission on International Religious Freedom)※は、世界の宗教の自由を最も侵害するとされる国家を強調する報告書を発行した。多くのアジアと中東の国家の中に、西ヨーロッパのいくつかの国家も含まれている。

 アメリカ共和党・民主党による現状報告機関(the bipartisan advisory body)※は、侵略国家を3つのレベルに分類している。
 上記の地図で赤く色づけされたレベル1の15国家は、「組織的、持続的かつ甚だしい」侵害を「特に厳しく」実行している。レベル2の国家は「周辺的なレベル」とされ、深刻な問題を抱える可能性のある国家を含むが、大抵は少なくともその問題に対処する努力をしている。レベル3のカテゴリーの国家は少数だが、西ヨーロッパ地域の数ヶ国を含め、他の地域の国家が宗教的な侵害について監視されている。

 この報告書では宗教の侵害について実情を伝えているだけではない。レベル1の国家はアメリカ国務省によって公式的に「特に不安を抱えている国家」と明示されていて、この点では大統領が合法的に何らかの活動を徹底的に行うことが求められている。それは例えば、ビルマの市民社会組織と交戦してより忍耐強さを増すことや、パキスタンの立法者と共にして立法を促進させることを連想させるかもしれない。

 しかしながら報告書そのものには特筆されているように、「実際には、IRFA(組織的な宗教自由同盟)」が規定した柔軟性は十分に活用されていない。一般的に、既存の制裁によるものの代わりにアメリカ国務省による、特別に不安のある国家の指示に対して説得力のある大統領の新しい行使は、全く課されて来なかった。言い換えるなら、赤色の国家は大抵既に何らかの貿易制限や貿易制裁を受けていて、それは大統領が委員会の要求を既に満たしているものだと言うことができるものである。時としてサウジアラビアやウズベキスタンのようにアメリカの対外政策に重要な国家を罰することを避けるために、大統領が免除制度を行使する場合がある。

 レベル1の国家は中国によるチベット仏教徒の弾圧やイランの非難の宗教を第一にかつ全体的に基にした長期にわたる拘留、拷問、そして処刑のような国家の支持や強制による宗教の差別が典型例として挙げられている。エジプトのようないくつかの国家では、宗教罪は欠落した人が犯すとしている。「多くの場合、政府は宗教による暴力の監視に失敗もしくは対応が遅れている。責任者に対してこの種の暴力と罪の宣告を行えていないことは、それが無実だという風土を助長している。」

 報告書では、宗教の侵害国家の分類を促進させる大きな傾向と最悪の事件について、詳細にわたって明らかにしている。「例えばビルマでは、過去に1,000人を超えるロヒンガ(イスラム教徒)が殺害され、村と宗教的組織が破壊され、襲撃の際に女性が強姦されたことが明らかになった。」「イスラム教徒にはモスク(寺院)や学校を建てる許可が下りる可能性が全くなく、無認可で行われた場合には必ず閉鎖もしくは破壊される。最近政府は、モスク(寺院)、宗教的な中心地、学校の破壊を命令してきた。」と特筆されている。

 レベル2の国家は、レベル1の国家より組織的でないが、深刻な暴力や宗教的な自由の促進が組織的に拒絶されているとされている。例えばロシアは、「反過激主義」法の行使によって、暴力を提唱したり行った記録の無いエホバの証人やいくつかのイスラム教団体が制限を受けている。この報告書では、インドでは宗教の監視に対する大規模な自治体の暴力を削減したことで賞賛されていたが、インド高官が過去の事件に関して更なる調査を進めることへの拒否については非難を受けた。

 レベル3の国家には「監視下に置かれている」国に、いくぶんか「西ヨーロッパ」を挙げている。「その分類には西ヨーロッパも含まれるが、圧倒的に以下の3ヶ国が注視されている。フランス、ベルギー、オランダであるが、「制約が増え、様々な宗教的表現の形態に対して制限しようとする動きがある。」としている。実際には大抵、それはイスラム教徒に対して行われているようである。例えば、伝統的なイスラム教徒の衣装や割礼を禁止する法や、大っぴらな憎悪の演説に対する法は、「西ヨーロッパでの特定の宗教活動への脅しの風潮を盛り上げる。これらの規制は、(西ヨーロッパ市民とイスラム教徒の)社会の融合や、その影響がある人々への教育や雇用の機会を厳しく制限することにもなる。」
 
この報告書では日本での「拉致と強制による宗教からの脱会」といわれる風潮についても取り扱われている。日本はどの監視対象にも該当していないし、宗教の自由については一般的に日本政府は賞賛されている。しかしながら、この風潮については以下の名目の事柄と同様に不安視されている。

数十年以上前より、統一協会やエホバの証人、そしてほかの新興宗教に所属している数千人の人々の棄教を迫るため、家族による拉致が続けられてきている。極端な例では、統一教会員の後藤徹のように、10年以上も本人の意志に反して監禁されてきたこともある。拉致された人は、家族や「脱会のプロ」によって精神的な嫌がらせや肉体的な虐待を受けたと述べている。警察や裁判所はそれらの行為に及んだ者への調査や起訴はせず、大抵証拠不十分としている。

読者の中で、とりわけこの地図の中で色づけされた国々の方からは、なぜこの報告書には、地域によっては、また国家レベルでイスラム教徒によるモスク(寺院)や公的な礼拝を排除し、抑圧しているアメリカ合衆国に関して全く話が出ていないのだろうと考える方もいるかもしれない。それは理に適った質問だ。悲しいことに、委員会はアメリカ合衆国国務省に勧告をしていて、それは当然アメリカに対して看過しているわけではない。それでも、公正であれそうでないにせよ、アメリカの下院議員は委員会の忠告から外れ、海外の宗教の自由に対する恐れを搔き立てようとしている。テネシーの役人でモスク(イスラム寺院)の建築を阻止しようとする者もいたからだ。他にないとしても、アメリカ合衆国の現状も宗教の自由については進行中だということは記憶にとどめるべきだ。

 最新情報:皮肉の皮肉として、アメリカ国際宗教自由委員会それ自体は2010年に偏見の問題で訴えられている。当時のワシントンポストのミシェル・ブアスタインの報告は以下の通りである。

 過去の委員の中には、アメリカ国際宗教自由委員会の職員や元職員によると、大統領と国会に助言する機関で、しばしば自らの宗教的背景を基にした得意分野に注目する委員に、観念形態と部族制において、裏で良くない噂が広まっているとされている。とりわけ、イスラム教への偏見は委員長のレナード・レオによって断られた委員会の仕事として最後まで存在する。

 「私は私たちほど世界のイスラム教徒を擁護する団体を他に知らない。」と2007年にジョージW.ブッシュ大統領によって委員会に任命されたレオは言う。

それにも関わらず、アメリカ国際宗教自由委員会は、元政策アナリストのサフィヤ・ゴリアーマッドによる、イスラム教徒かつイスラム教擁護団体へ加入したことによる雇用契約の破棄に対する雇用機会均等委員会への告訴状によって叩かれることになった。

 ブアスタインによると、「初めから批評家は、委員会は他の宗教社会を無視し、他の宗教の迫害の主張を軽視しているにも関わらず、キリスト教徒への迫害に対して不均衡に焦点を当てている。」としている。

※マックス・フィッシャーはワシントンポストの外国事情のブログ製作者。ジョンズ・ホプキンズ大学大学院にて安全保障学の修士号を取得。

以下、ワシントンポストに掲載された内容(原文)

A distressing map of religious freedom around the world