捏造報道

1999年から始まった数々の反対活動

鄭明析牧師が1978年から宣教活動を開始し、キリスト教福音宣教会(通称「摂理」)を創始すると、ほどなくしてキリスト教の各教派が「異端」であると反対し始めた。そしてキリスト教系のマスコミを中心として、批判的な報道が続けられた。これらの批判的報道は、前記のとおりキリスト教が強力な社会的影響力を持つ韓国社会においては決して小さいものではなかった。しかし、これらの批判は、多くの教派で摂理の教理が受け入れられている現在においては、当時の伝統的なキリスト教の教理からすればあまりに斬新で革新的な教理に対する伝統的キリスト教の拒否反応に過ぎなかった、といえるだろう。

ところが、鄭明析牧師が21年間、韓国内での宣教活動を締めくくり、海外宣教に出発した1999年、鄭明析牧師と摂理に反対する組織「エクソドス」は、鄭明析牧師の数々の行為を警察に告訴するとともに、マスコミに情報を提供した。「エクソドス」は、伝統的なキリスト教の団体ではなく、ただ鄭明析牧師と摂理に反対するためだけに組織された団体であった。したがって、その主張は教理論争とは全く関わりのないものであった。しかし、その主張の中で、多くの女性が鄭明析牧師に性的被害を受けたとする主張は、摂理の教理とは全くかけ離れたところでスキャンダルを好むマスコミの注目を引き、韓国SBSソウル放送の時事告発番組で大々的に報道された。韓国SBSソウル放送は、韓国の三大放送ネットワークの一つであるが、これを契機にさまざまなマスメディアも、続けて女性スキャンダルとして取り上げ、摂理はその教理や信仰生活については正しく知られることはなく、報道された鄭明析牧師の女性スキャンダルのみが国民にあまねく知れ渡ることとなった。

韓国のマスメディアによる報道の実態

しかし、韓国SBSソウル放送は、「エクソドス」の代表者たちの一方的な主張をもとに番組を制作して放送し、かつ自らも作為的に事実を捏造して、鄭明析牧師と摂理を根拠なく批判していたことが、最近の報道で明らかになった。具体的には、鄭明析牧師が説教した映像を放送する中で、1995年の主日礼拝「感謝する生活」と題する説教の中で「10のうちの1つを伝道しなさい」と述べているにもかかわらず、聞き取りにくく音声を操作したうえで、「女性1人伝道しなさい」と字幕を入れて放送した。明らかに「鄭明析牧師が女性問題を抱える指導者」と印象付けるためだったといえる。

(韓国のマスメディアが事実を捏造することは稀なことではない。2008年に右派の李明博大統領が就任した後、アメリカからの牛肉輸入自由化を表明するや、韓国MBC文化放送は時事告発番組において、狂牛病にかかった仔牛の映像を流しながら、アメリカの研究者が話した内容に意図的に異なった字幕を入れるなど報道内容を意図的に捏造したことが明らかになっている[韓国MBC文化放送は後になって虚偽報道を謝罪した。韓国の三大日刊紙の一つ「中央日報」2011年9月11日付記事参照]。当該報道の結果、何十万人が結集して都市機能がマヒするほどの反対デモが行われるなどした。捏造報道の悪影響の大きさを物語る一例である。)

韓国SBSソウル放送は、上記のような報道の結果、まず2005年に裁判所から「エクソドスの代表者たちの提供情報を報道しない」等の和解勧告決定を受けた。裁判所も「エクソドス」からの情報提供が虚偽だったと認定した内容だった。さらには、2010年、韓国大法院(日本の最高裁判所に相当)は、キリスト教福音宣教会が韓国SBSソウル放送に対して提起した損害賠償及び放送報道禁止請求訴訟において9000万ウォンの賠償命令を下した原審判決を認めた。

恣意的な世論誘導

このほか、鄭明析牧師と摂理に対する報道は、世論を誘導するように恣意的に制作・編集されたものが多かった。例えば、男女が活動していた行事の映像を、女性だけが画面に映るように編集することで、まるで鄭明析牧師が女性だけを相手にしているかのような印象を視聴者に抱かせるように放送した。

さらには、鄭明析牧師が海外でもわいせつ行為を繰り返していたとして、台湾検察に対するインタビュー内容を報道した中で、「今、具体的にお話しするのは難しいですが、一部被害者の陳述を確保した状態です・・・」と翻訳した。しかしながら、台湾検察は、「被害者」という表現を使っていなかった。台湾検察は、「関係者」と述べたにもかかわらず、「被害者」と翻訳することにより、前提として「被害者ありき」の報道をしたのである。台湾検察による捜査は、後に「嫌疑なし」として終了し、台湾メディアに虚偽内容を吹き込んだ情報提供者は、新聞に謝罪文を発表するに至った。

このような事実は、最近になってようやく一部の雑誌の独自取材により、世間に明らかにされるようになった。しかし、大手マスコミによる過去の虚偽報道によって一度作り上げられてしまった鄭明析牧師と摂理に対するイメージ、そして世間に与えた影響は多大である。それは短い訂正報道では決して取り返せるものではなく、刻み付けられた負のイメージは、裁判の勝訴や賠償金によってさえも簡単に消し去ることはできない。まして、報道が間接的に伝わる日本のような海外の国々ではなおさらである。

→「嫌疑なき告訴」